ジャパンラグビートップリーグ2008-2009 第7節 試合結果

日にち:11月29日(土)   場 所:秩父宮ラグビー場(東京)  時 間:14:00キックオフ  観客数:3391人  レフリー:吉浦忠孝

 

横河武蔵野

アトラスターズ

横河武蔵野アトラスターズ

29

×

26

日本IBM

ビッグブルー

日本IBMビッグブルー

T

G

PG

DG

 

T

G

PG

DG

3

2

0

0

19

1st

7

1

1

0

0

1

1

1

0

10

2nd

19

1

1

4

0

T=トライ(5点) G=ゴール(2点) PG=ペナルティゴール(3点) DG=ドロップゴール(3点)

トップリーグ2008-2009順位表→

 

ラストチャンスをものにし、トップリーグ初勝利!

「頭が真っ白になった」(笠原誠/WTB)

後半ロスタイム、アトラスターズに最後のチャンスが巡ってきた。決めれば勝利、外せばドローのPGは、ハーフライン付近ゴール正面からのロングキック。キッカーはM笠原誠。このキックの前に2本、笠原はキックを外していた。そのうちの1本はゴール正面、ほぼ同じ距離のキックだった……。

11月29日(土)、トップリーグ2008-2009の後半戦が開幕。アトラスターズは、トップリーグ残留を果たすためには負けられない試合、日本IBMビッグブルー戦に臨んだ。

前半序盤にIBMの連続攻撃を回避したアトラスターズは、Gテビタ・フィフィタのゲインを突破口にIBM陣内へと攻め込む。12分、この試合でトップリーグ初スタメンを果たしたE荒川治がトライ。先制点を奪って勢いに乗り、21分にN佐藤慎之介、34分にGフィフィタがトライ。19対7とリードで前半を終えた。

前半戦6試合で苦しんだ、後半開始からの10分。アトラスターズはしっかりと気持ちを引き締めて臨み、1トライ1PGを取られるも、@糠盛俊介のトライで26-17とリードを保つ。が、15分過ぎから雲行きが怪しくなり、IBMN高忠伸の3連続PGで同点に追いつかれてしまう。一進一退の攻防が続き、両チーム得点できないまま試合は終盤へ。36分、アトラスターズは敵陣10mライン付近ゴール正面でのPGを獲得。しかしこれを、M笠原が外してしまう。同点のまま試合終了かに思われたロスタイム、再びIBMに反則があり、今度はハーフライン付近ゴール正面からのPGを獲得。決めれば勝利、外せば引き分けとなるラストチャンスのPG。キッカーはM笠原。

「前の2本は『決めなきゃ』と緊張してしまったけど、最後のキックはブザーが鳴って開き直れたし、思い切り振り抜けた。蹴った瞬間に『決まった』と思った」(笠原)

笠原の蹴ったボールは、上空高くに上がり、キレイな孤を描いてゴールポストの間へと向かった。

数秒後、笠原が腕を空に突き上げて後ろを振り向く。グラウンドのあちこちから、ベンチから、笠原もとへチームメイトが駆け寄り、肩を抱き合った。

「(トップリーグ昇格を決めた)マツダ戦以来の勝ち」(藤山慎也/CTB)

「ここまで公式戦で勝てなかったのは今までにない」(笠原)

アトラスターズの選手たちは、約1年味わっていなかった勝利の味を噛み締めた。

敗れたIBMの安藤裕樹ヘッドコーチは「最後は横河さんの執念が上回った」とコメント。「勝ちたい気持ちの強いほうが勝つ」と安田真人GMが話した通り、「残留のためには負けられない」と強い気持ちを持って臨んだアトラスターズがトップリーグで初勝利を手にした。もっとも活躍した選手の称号「マン・オブ・ザ・マッチ」は、アトラスターズの攻撃に火をつけ、4本のトライのうち3本に関わったGフィフィタに贈られた。

次節は12月6日(土)、現在まで無敗を誇る、東芝ブレイブルーパスと対戦するアトラスターズ。

「アトラスターズが負けると思われているでしょうが、グラウンドの上ではベストを尽くす。そして、勝ち点を取ります」(レオHC)

 

 

<ヘッドコーチ シウレオ・ラファイアリ>

普段通りに選手たちはやってくれました。後半、IBMは強い気持ちで攻めてくると思っていたので、前半同様のパフォーマンスを継続しようと伝えました。残念ながら、プレッシャーから正確性を欠いてしまった。キックチェイスを気をつけるように言いましたが、あまり改善されず、逆に劣勢になってしまう場面もあった。もう少し差をつけて勝てたのですが、厳しい勝ち方になってしまいました。

良かった点はたくさんあると思います。逆に悪かった面もある。詳しくはビデオを見なければいけないのですが、頭にあるのはペナルティが多かったことです。単純なミスも多く、それが我々にとってのプレッシャーになってしまった。勝ちはしましたが、まだまだやるべきことはたくさんあります。

チームにとって前半6試合は厳しい状況でした。しかし、キャプテンズランのときにデヴェロップメントチームのメンバーが一緒にサポートしてくれて、ジャージ渡しのときも一緒にいてくれた。仲間がいる、ということを再認識しました。全部員が一丸となって今日の戦いに臨むことができました。

次からの2試合は日本でトップクラスのチームとの対戦です。我々にとって失うものは何もありません。恐らく、誰もがアトラスターズが負けると思っているでしょう。でも、ひとつの試練と考え、グラウンドではベストを尽くして戦います。一歩も引き下がるつもりはありません。

 

 

<主将 佐藤 幸士/WTB>

今日の試合に負ければトップリーグに残れないことはみんな理解していたし、勝たなければいけない気持ちが強かったです。前半は本当にいい形で勢いに乗れました。後半からサモを入れて、開始10分も良かった。そのまますべてがうまくいくはずだったんですが、あそこまで競ってしまった。最後まで流れをつかめなかった原因をしっかりと見極めて、次につなげたいです。ただ、結果的勝ち点5を取れたのは非常に価値のあることだし、素直に喜びたいです。自信になったし、次につながる勝利だと思います。

トップリーグで6試合戦ってきて、特にアタック面での強化が図れました。攻撃すれば取れることをみんなが自覚していた。特に、この試合に向けて得点を取るパターンを練習してきたので、それがうまく出ました。次の東芝、三洋電機との戦いは胸を借りる気で行きますが、その中でも勝ち点を取りたいです。

 

<笠原 誠/WTB>

(後半ロスタイムにラストチャンスのPGを決め、勝利の立役者になった)

最後(のPG)はすごく集中して蹴れました。その前の2本は、「決めなきゃ」と思って緊張して外してしまった。距離よって蹴り方を変えているんですが、1本目のコーナーからのキックはしっかりと振り抜けば良かったんです。でも、コントロールのいいインサイドで蹴ってしまった。最後のキックは思い切り振りぬけました。頭が真っ白になったけど、みんなが「大丈夫」だと言ってくれたし、終了のブザーがなったことで開き直れた。蹴った瞬間に「入る」と思いましたね。

勝つのはキツイ。去年はトップイーストで全勝して、それからずっと勝ってなかったから、勝ち方も忘れていた。こんなに勝てなかったことは人生でないですね。

次からの2試合は、正直、力の差がすごいあると思います。今シーズンは残留が絶対的な目標だから、勝ち点を狙いにいきたい。2試合で1点ずつ取れば合計10点になって、2試合勝ったことになる。その2点があるのとないのとでは、全然違うと思います。

 

横河武蔵野アトラスターズ・メンバー 日本IBMビッグブルー・メンバー

1

糠盛 俊介

1

田辺 篤

2

佐藤 明善

2

安江 祥光

3

坂尾 英之

3

山口 泰生

4

コリン・ユークス

4

伊藤 太進

5

内藤 公洋

5

佐藤 拓

6

荒川 治

6

須田 康夫

7

趙 顕徳

7

ジェイク・パリンガタイ

8

テビタ・フィフィタ

8

ロトゥ・フィリピーネ

9

小池 善行

9

山中 俊幸

10

長尾 健太郎

10

加瀬 隆之

11

佐藤 幸士 【Cap】

11

櫻井 崇将

12

シオネ・トゥイプロトゥ

12

大松 真

13

藤山 慎也

13

ロイ・キニキニラウ

14

笠原 誠

14

勝俣 啓太

15

佐藤 慎之介

15

高 忠伸 【Cap】

16

山田 貴志

16

佐藤 大作

17

須藤 涼太

17

野田 敬司

18

ヨン・クウォンヌ

18

石田 雅人

19

ラディキ・サモ

19

高 聡伸

20

池原 忠治

20

塩谷 純司

21

田沼 崇

21

マイク・ハーカス

22

ロコビヤウ・ナソーニ

22

阪元 弘幸

<アトラスターズ 交替/入替>

<ビッグブルー 交替/入替>

入替 後半0分 4(コリン)→19(サモ) 入替

後半11分

8(ロトゥ)→18(石田)
入替 後半17分 6(荒川)→18(ヨン) 入替 後半11分 10(加瀬)→21(マイク)
入替 後半20分

10(長尾)→21(田沼)

入替 後半30分 12(大松)→22(阪元)
入替 後半26分

1(糠盛)→16(山田)

入替 後半30分 6(須田)→19(高聡
入替 後半26分 3(坂尾)→17(須藤) 入替 後半38分 3(山口)→16(佐藤大)

 
    <試合経過>

1st

時間 チーム 内容 得点
12分 横河

自陣10mライン付近でL藤山がインターセプトし、J佐藤幸士へ

フォローに入ったGフィフィタが突破し、J佐藤幸につなぐ

再びボールを受けたGフィフィタがE荒川へとつなぎ、

最後はE荒川がトライ I長尾のゴール成功

7-0

16分

IBM

敵陣10mライン右ラックから、左へ展開

L−N−Mとつなぎ、再びLキニキニラウへとつなぎトライ

N高忠伸のゴール成功

7-7
21分 横河

ハーフライン左ラックから、右へ展開

Kシオネ−I長尾−N佐藤慎之介−M笠原とつなぎ、

再びボールを受けたN佐藤慎が走り切ってトライ

I長尾のゴール不成功

12-7
34分 横河

敵陣22mライン、マイボールラインアウトから右へ

Cコリンが突破、できたラックからGフィフィタが持ち出してトライ

I長尾のゴール成功

19-7

2nd

時間 チーム 内容 得点

2分

IBM

横河の反則、IBMはPGを選択

敵陣22mライン中央からのN高のPG成功

19-10
5分 横河

敵陣22mライン、マイボールラインアウトをGフィフィタがキャッチ

ディフェンスも、フォローに入った@糠盛につなぎ、トライ

M笠原のゴール成功

26-10
10分 IBM

横河のオフサイド、IBMはタップキックで早いリスタート

中央モールからN高へ飛ばして、そのままトライ

N高のゴール成功

26-17
16分 IBM

横河の反則、IBMはPGを選択

敵陣ゴール前右からのN高のPG成功

26-20
19分 IBM

横河の反則、IBMはPGを選択

敵陣22mライン左からのN高のPG成功

26-23
23分 IBM

横河の反則、IBMはPGを選択

敵陣22mライン左からのN高のPG成功

26-26
40分 横河

IBMの反則、横河はPGを選択

ハーフライン付近中央からのM笠原のPG成功

29-26

 

<荒川 治/FL>

大事な試合だったので、やる事をやらなければいけないというプレッシャーを感じていました。ただ、何回かトップリーグの試合に出ていたので「自分はできる」という手応えがあり、それがトライに繋がったと思います。
チーム全体では、試合に出ている出ていないに関係なく、全員で戦う気持ちを持っていました。自分は、ベンチに退いたあとも外からチームを盛り上げていきました。これから東芝、三洋と強豪チームとの対戦が続きますが、チャレンジャーの気持ちで戦い、いい結果を残したいです。

 

<佐藤 慎之介/FB>

勝たなければまずいという危機感の中でやって、勝てたのはすごく大きい。最後は危なかったですけど、勝てたことに意味があると思います。ずっとこの試合に向けて研究してきて、一人ひとりがやらなければいけないことをやった結果です。(前半のトライは)ディフェンスに捕まると思ったんですが、誰も来ないからそのまま自分で行きました。後半、相手のペースに合わせて受け身になってしまったので、反省しなければいけないと思います。

最後のPGは、同じような場所でのキックを外してたので、自分としては外してもいいかなと思っていました。それが結果だし、次に勝てばいいかなと。でも、やっぱり決めてくれて良かったですね。自然に泣けました。

まだキック処理のミスがあり、他のバックスとの連携も取らないといけません。しっかりと修正して、まずは次の試合も出られるようにしたいです。


<長尾 健太郎/SO>

リーグの中断期間は、練習を積んだことで徐々にいい形を作れていました。その結果、この試合にはいい形で臨めたと思います。ただ、自分自身は引っ張っていく立場なのに、今日の試合では緊張したりゴールを外してしまい、迷惑をかけました。あの場面で堂々と蹴ることができたら良かったのかもしれません。

チームは初勝利を挙げましたが、僕のゲームメイクやミスがあって、それが無かったらもっと楽に勝てたと思います。僕のミスをみんながカバーしてくれて、それが勝利に繋がったのだと思います。
次に向けてもっと練習して、次のゲームでも今日のようなしっかりした試合をしたいです。

 

 
 

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